復旧用メールの価値は登録日にあるのではなく、パスワードを忘れたとき、端末を紛失したとき、アカウントがロックされたときに発揮されます。最も安全なのは、すべてのサイトをメインメールに集約することでも、すべての登録に使い捨てアドレスを使うことでもありません。復旧のしやすさに応じて分けて管理しましょう。

そのアカウントを失う実際の損失を確認する

まず、3つの質問に答えましょう。アカウントに有料の特典や重要なデータがあるか。1年後もログインする可能性があるか。サービスは元のメールアドレスだけで復旧する仕組みか。1つでも「はい」なら、そのアドレスを長期的に管理できる必要があります。

フォーラムの閲覧、1回限りのダウンロード、短期キャンペーンは、復旧の重要度が低いことが多いでしょう。一方、ネット通販の注文、クラウドストレージ、開発者向けサービス、サブスクリプションサービスでは、数か月後にも請求書やセキュリティ通知、返金のお知らせが届くことがあります。この2種類を同じルールで扱わないでください。

登録頻度だけで判断しない

ログインが少ないアカウントでも、重要性が低いとは限りません。ドメイン、クラウドサービス、保証関連のアカウントは年に1度しか使わなくても、復旧用メールへの依存度が高い場合があります。

使い捨て・エイリアス・メインメールの3層に分ける

第1層:用事が終われば手放せる使い捨てアドレス

1回限りの認証、公開資料のダウンロード、短期トライアル、復旧する必要のない低価値アカウントに適しています。使う前に、後からメールが届く可能性も確認しましょう。ダウンロードリンクが1日遅れるなら、アドレスもその1日分は維持する必要があります。

第2層:停止・交換できるメールエイリアス

ネット通販、コミュニティ、ソフトウェアのサブスクリプション、一般的なオンラインサービスに適しています。エイリアスを使えば、サイト上のIDと実際のメールアドレスを分離しながら、継続的な転送も維持できます。特定のサイトで情報漏えいが起きたり迷惑メールが増えたりした場合も、そのエイリアスだけを停止できます。

第3層:厳重に守る長期利用のメインメール

メインメールはできるだけ公開せず、エイリアスの転送先、重要アカウントの復旧、信頼できる相手との連絡に使います。便利だからといって、あらゆるマーケティングフォームに直接入力しないようにしましょう。

アカウントの種類ですばやく分類する

アカウントの用途おすすめのアドレス判断理由
1回限りのダウンロード、短期キャンペーン使い捨てメール目的が明確で、復旧の重要度が低い
ネット通販、フォーラム、一般的なサブスクリプション専用エイリアス継続的な通知が必要で、停止する可能性もある
金融、ドメイン、クラウド上のデータ長期利用の専用アドレス復旧の重要度が高く、安定した管理が必要
仕事と個人の連絡メインメールまたは長期利用の専用アドレス連絡先との関係をまとめて移行しにくい

ショッピングメールは、注文・配送・マーケティングごとにさらに分けられます。詳しい方法はネット通販メールを3層に振り分けるガイドをご覧ください。

古いアカウントを移行するときは、最も脆弱な復旧経路から直す

すべてのアカウントを1日で変更しようとしないでください。まず、支払い、データ、本人確認に関わる重要なアカウントを10件選び、現在のメールにまだアクセスできるか、予備の認証手段が有効か、サービス側でメールアドレスを変更できるかを1件ずつ確認します。

  1. まずログインし、パスワードマネージャーのアカウント情報を更新する。
  2. 新しい長期利用アドレスまたはエイリアスを追加し、2段階認証を完了する。
  3. 新しいアドレスでセキュリティ通知を受信できたことを確認してから、古いアドレスを削除する。
  4. 移行日と元のアドレスをメモし、後で混乱しないようにする。

アカウントをどの層に入れるか迷ったら、アドレス選択の判断ページで、認証コード、復旧、情報漏えいへの対処という3つのポイントに沿って判断できます。

四半期に1回、10分で見直す

有効なメールを受け取り続けているエイリアスと、マーケティングメールしか届かなくなったエイリアスを確認します。停止したサービスは必要なデータを先に書き出してからエイリアスを停止し、重要なサービスでは復旧メールが引き続き届くことを確認して、予備のワンタイムコードも更新しましょう。

「アカウント—アドレス—用途—復旧レベル」の4項目を記録すれば十分です。パスワードまで保存する必要はありません。パスワードは引き続きパスワードマネージャーに保管してください。アドレス台帳の役割はIDを特定しやすくすることであり、機密情報のコピーをもう1つ作ることではありません。